アマゾン薬局が示す調剤サービスの行方

ようやく来た感のある、amazon pharmacy

それだけ当局との調整やシステムの作り込み、ネットワークづくりに時間がかかったということなのでしょう

 

apple watch同様に日本でもすぐに!ということにはならないでしょうが、調剤サービスがこれまでの延長戦上ではなくなることを連想させるインパクトがありますね。この動きが調剤薬局DXの本命となるのではないでしょうか。

 

現在の、処方箋を発行した病院・クリニックの近く、あるいは住まいの近くや日常の行動範囲内にある調剤薬局を選ぶという「地理的条件を重視した、ハード型の調剤薬局選び」から、「地理的条件ではなく、価格やサービス条件を重視した、ソフト型の調剤薬局選び」という形に処方箋サービスの提供・購入プロセスが変わることが想像されます。

この新しい調剤サービスとして、以下をイメージしました。

 

 【オープンな調剤マーケットプレイスの登場】

処方箋のオンライン送受信ネットワークとは別物になるでしょう。

特定の調剤薬局グループに閉じた半オープンネットワークが現在のポイントプログラムとの組み合わせやその延長線上で登場する可能性もありますが、ユーザー中心という側面からは半オープンよりもっとオープンな市場として整備するのが望ましいのではないでしょうか。

 

この調剤マーケットプレイスでは、調剤薬局から提示される価格・条件を比較して、希望者が選択するという以下のプロセスになります。

①インターネット上の調剤マーケットプレイスに、調剤を希望する処方箋(電子処方箋もしくは紙の処方箋の画像)を受け取り希望日時と一緒に公開します。

②マーケットプレイスに参加している調剤薬局は、推奨医薬品・付帯サービス・納期・価格などを入札形式でオファーします。

③オファーは比較可能な表形式でデジタル端末(希望者のスマートフォン、タブレット端末、医療機関内のキオスク端末を想定)上に表示されます。希望者が選択し、契約が成立します。

④調剤済医薬品を指定時間に指定場所で受け取ります。同時に決済が行われます(実際の支払いは都度決済と月単位一括決済を選択可能とします)

 

受け取り場所の選択が可能となるため、これまでのような調剤薬局の立地による優位性はほとんぼなくなりでしょう。(居宅配送がデフォルトになると考えられます)

また、調達技術によってブランド薬の低価格提供が可能な調剤薬局が増えることで、現在あるジェネリック薬の価格優位性はかなり小さくなるでしょう。

さらに、価格競争ということでは逆オークション形式が採用される可能性もあるやもしれません。

 

 上述した調剤サービスのデジタル変革は、現在進んでいる調剤薬局の業界再編の意味を問い直すものとなるかもしれませんね。