戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」が、
わたしにはどうにも筋が悪いプログラムと思えたので、以下をパブリックコメントに出しました。
1 AIホスピタルとの名称からAIをコア技術としていると連想したが、計画書案の記述ではモニタリングシステム等何らかのシステムを実現するための要素技術のひとつと読める。
その場合、デジタルホスピタルなどと既に表現されている病院の情報化と同じではないのか。
2 4ページ「AIの現状」は、IBMのWatsonのみでイギリスのdeepmind社とNHSへの言及がない。また2017年12月に公表、アメリカHHSがJASON社に委託した調査報告書”Artificial Intelligence for Health and Health Care”を関係者は目を通したのか?
3 計画書はあらゆる疾患を対象にしたプロジェクトと読めまる。加えてハード、ソフト、通信規格等、医療に関するAI絡みを何でもやる、あまりにも総花的なプロジェクトではないか。
図1-4にある内、「分析・診断等」を本プロジェクトのコアターゲットとし、情報流通部分は他プロジェクトに分けるのが望ましい。
4 唯一「がん」について5ページ、サブテーマCに言及があるが、プログラムディレクターの専門性を踏まえ、がん領域に特化もしくは最優先とするなど、対象の選択と集中が望ましい。
5 医療AIの最優先対象は、深層学習のアルゴリズム開発が適切と考える。
なお現状既に画像AIの領域では中国、アメリカが先行し既に差別化が困難なレベルに到達しているとの専門家の意見を踏まえ、日本が優位性獲得につながる分野を選択すべき。
また、深層学習では開発段階で必要になる、AIに読み込ませる膨大な学習用データをどこから、どう集めるかが、24ページに記述のある実証段階での最終目標10万人規模データよりも重要と考えるが、それについては言及がない。
必要ではないか。
新たなデータベース構築を否定しないが、既に存在する多様な医療データベース群を活用することを十分に検討した上で新設という判断を下したのか?
6 5ページに、「低侵襲」「医療費抑制」とあるが、それはわからないのではなか。AIから得られた新しい治療法が治療効果が高く、身体への負担も大きいものとなる可能性は決して低くないと思うし、疾患の早期発見と重症化、再発の回避が患者本人のADL向上に寄与すると考えられるが、医療費を下げるかは不明ではないか。
プロジェクトの考え方、対象範囲の明確化等記述の具体化を望みます。
↑ 本当は文章校正したの?な修文をはじめ、細かい指摘も出したかったところなのですが、1回のコメントに文字数制限があったため、収まるようにしたものです。
開発段階で大量のデータを学習させることに言及していないAIプロジェクト、、、としか読めなかった。
運用段階で学習しながら成長するというのは何となく耳障りがよいけれど、開発段階で学習させるのがゴールドスタンダードと思う。
今あるデータベースから横展開が可能にするとか、紙、フィルムベースのデータをデジタル変換して取り込む手だてこそ、はっきり、くっきり書き込むべきなのにねと思うのです。