●昨年「非営利再考」として、医療機関の利益の扱い・考え方に言及しました。↓
https://wonderwellbe.jimdo.com/2017/03/30/%E9%9D%9E%E5%96%B6%E5%88%A9%E5%86%8D%E8%80%83/
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●医療機関の所管は厚生労働省ですが、経済産業省サイドからとても興味深い発言が飛び出しました。
2018年1月31日 参議院予算委員会での山本委員の質問に対する、世耕経済産業大臣の答弁です。(私見と前置きしていますが、議事録に残す中での発言ですので重要)
駒崎氏のブログ(http://blogos.com/article/278796/)で発見して
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となりました。
「NPOはよく誤解をされますが、利益を上げていいわけです。
利益を配分してはいけないだけであって、利益を上げて、その利益で更に雇用を広げたりあるいはもっと投資をしてサービスのレベルを上げるという意味では、当然NPO法人も財団法人も利益を上げるということは取り組んでいただいて全く構わないわけです。」
このでは所管外の医療法人は含まれませんが、画期的な発言です。
質問者の山本香苗委員もこの答弁の要点を次のように再確認しています。
「非営利法人だからボランティアみたいな感じで利益を上げちゃいけないんだみたいなことを思っている方がいらっしゃる。
違うんです、利益を上げていいんですと。それを職員にちゃんと還元するんです。ただ、おっしゃるように、寄附者だとか会員だとかそういった人たちには配分しちゃ駄目よと。全部収益上がったものは全部事業に使わなきゃ駄目ですよと。」
このように示された、
①非営利は収益ゼロではないこと
②非営利は出資者に利益配分=還元をできないこと
は、医療法人に対する非営利性の考え方と一致します。
●医療法をみると、医療=非営利の明記はなく、第42条の2 に次の一文があります。
「社会医療法人は、開設する病院、診療所又は介護老人保健施設の経営に充てることを目的として収益業務を行うことができる。」(第54条の剰余金の配当禁止は、非営利要件とはいえない)
とてももやっとした記述。
また、評価療養という形で保険外診療との組合せ診療を含めるととてもわかりにくいのではないでしょうか。
バランスシートの開示とのセットで収支を明確にして、それぞれの医療機関であげてよい利益額を含め、理念的ではない形で非営利事業としての医療を考えるきっかけになるとよいと思います。