ダークサイドオブ社会のヘルスケア化

これまで食品中心だった社会の健康テイスト化。

またまた東京海上日動あんしん生命保険さんの話になってしまいますが、個人の生活習慣から10年後の生活習慣病の発症率を予測するサービスの提供を発表しました。

これで示される”差”が厚生労働科学研究事業の成果とはいえ、どの程度確度が高いのでしょう?確定予測というものでないものが、対象者にとって混乱の素とならなければよいのですが、、、

 

そもそも、生活習慣病を発症した場合に備えるのが保険であるならば、リスク表示が発症リスク軽減サービスを含む保険加入率の向上につながるか、保険加入者の加入期間中の未病状態の維持に寄与する、つまり支払い保険金額の抑制に貢献できることが求められるのではないかとと考えます。
加えて保険加入時に発症リスクシミュレーションを実施する場合には加入者選別、加入拒否=クリームスキミングに該当しないか?(形としてはリスクに応じた保険商品の設計・提案ですが実態はリスクに応じた保障内容への切り下げ)ですとか、発症率予測を保険者単位、主に健康保険組合の法人単位で導入した場合、将来の予測発症率が雇用に影響しないこと、差別化を行わないことを担保できるのか?

という問題に向き合うことになるものと考えられます。

 

画像はちょうど読んでいる本で、行動経済学分野のものですが、ここに

ヘルスキャズムとポイントビジネスというタイトルのブログに書いた、
「費用の先払いと不確定な将来の満期払い戻し」の組合せモデルがどの程度魅力的に見えるか?

との疑問に関係した内容がありました。つまり、経済的インセンティブをどういうタイミングで提供するのが効果的=狙った効果をあげられるかに関係するものです。
本には成績の悪い生徒の試験の成績を、経済インセンティブを前払いとすることで劇的に向上できるということが記されています。何とも後払いを採用しているウォーキングマイレージ型の経済インセンティブには嬉しくないものですね。
また、2017年6月5日号のTIME誌が特集”The Weight Loss Trap:Why Your Diet Isn't Working”で書いているようにダイエットひとつをとってもまだまだはっきりとはわからないことだらけなのです。